「自分の意志」って何だろう?
自分の意志で大学進学を決めた。
自分の意志で正社員を志望した。
自分の意志で結婚を決めた。
ここで言う「自分の意志」とは、何を意味しているのだろう。
それは本当に、「自分の意志」と言えるものなのだろうか。
自分の意志で大学進学を決めた。
では、なぜ大学進学を選んだのか。
就職したいから。
大卒という肩書きが就職に有利だから。
では、なぜ就職したいのか。
親や先生にそうした方がいいと言われてきたから。
みんながそうしているから。
つまり、親や先生に「した方がいい」と言われ、みんなが選ぶ就職をするために、大学進学を「自分の意志」で選んだことになる。
自分の意志で正社員を志望した。
では、なぜ正社員を志望したのか。
安定しているから。
将来が安心だから。
では、なぜ安定や安心を求めるのか。
親や先生にそう言われてきたから。
みんながそうしているから。
つまり、親や先生に勧められ、みんなが求める安定や安心を得るために、正社員になることを「自分の意志」で選んだことになる。
自分の意志で結婚を決めた。
では、なぜ結婚することにしたのか。
正直、大好きというわけではない。
それでも、周りが結婚し始めたし、年齢的にそろそろだと思ったから。
では、もし周りが結婚していなかったら、自分は結婚していただろうか。
なぜ、ある年齢に達すると、結婚しなければならないと思うのだろうか。
みんなから遅れをとる不安を取り除くためか。
親を安心させるためか。
そこに、「自分の意志」はあるのだろうか。
大学に進学する。
正社員になる。
結婚する。
これだけ聞くと、いずれも「自分の意志」で選んでいるように見える。
しかし、もしその選択の理由が、誰かに「そうした方がいい」と刷り込まれてきたものだったり、みんながしているから自分もしなければならないという目に見えない圧力だったとしたら——
その選択は、他者の価値観に従うこと、社会の期待に沿うことから生まれているのではないだろうか。
「自分の意志」って何だろう?
もし、不自由さを感じているならば、考えてみる余地はあるのかもしれない。
